18,06,01公開

経営者 Asia View
海外マネジメントの基礎知識

多田 智子氏

多田国際社会保険労務士事務所

弊所は、アジアへの進出企業に対し、現地の労働法・社会保険法、更には労務管理についての相談業務を主に日本本社に対してサービスしています。その他、日本企業が海外進出する際に「海外赴任規程」「海外赴任者の給与設計」「海外赴任者の日本の社会保険」についてコンサルティングをしています。

 

弊社のミッションは、海外赴任者の方が「現地で成果を上げること」に寄与することです。
 そこで、経営における人、モノ、金における「人」についてのサポート、具体的には、現地の労務管理と現地労働法について、アジア各地のパートナー事務所と共に、海外赴任者にかかるビザ申請、個人所得税・社会保険、現地法人における就業規則・労働契約書作成に関するアドバイスをしています。最大の特徴は日本人事部と連携して情報共有及び問題解決ができることです。
 さて、海外の労働法と日本の労働法の違いの特徴とは何でしょう?
 ついつい私たちは、日本と違うと「ミャンマーってこんな法律があって珍しいな」と思ってしまいます。しかしながら、実は我々の住む日本の労務管理や労働法が世界の中では特殊性を持っていることも多々あるのです。
 例えば、「病気休暇」のご相談は特に海外赴任者の皆さんから多く、不正に利用していると思われる従業員と裁判になっている日系企業もあるほどです。我々にはなじみがない「病気休暇」ですが、海外ではSick leave(シックリーブ)と言われており、その名のとおり有給休暇とは別に従業員が病気になったときに休める制度です。
 我々日本人が有給休暇の消化率が低い原因の1つに「有給は病気になったときにとっておくから」との回答があります。しかし、ヨーロッパ及びアジア諸国においては、有給と病気休暇は別という法律がスタンダードです。因みに、アメリカには法律でこれらの休暇は定められていませんが、会社独自に設定しています。よって、世界的には病気休暇は広く普及しており、一説には、優秀な管理職は【部下にいかに病気休暇を取らせないか。】でマネジメントの手腕を問われるといわれている程です。

 

【病気休暇を取得させないようにする方法はありますか?】というご質問は非常に多く、海外赴任者向けの労務管理セミナーでは具体的策をお示ししていますが、他方、手段論のみならずこのような休暇に対する一定の免疫力を高めるタフさも必要です。このような休暇を最大限活用する従業員が世界各国におり、問題社員とまでは言わないが日本でいう「ワークライフバランス」を楽しむことが普通である背景があります。
その背景の1つが、昇進制度にあります。(図)日本企業はゆるやかな長期のキャリア開発を描き、管理職になる日まで頑張るモチベーションを長期に保つことができます。一方、欧米では早い段階で出世の有無が決まってしまいます。つまり、早い段階で出世がない者は大きな賃金変動も職務変更もなくワークライフバランスを楽しむ傾向にあるのです。既に研究が進んでいるアメリカにおけるデータにはなりますが、ヨーロッパ及びアジア諸国においても本質は同じです。我々日本の労務管理の特殊性がこのデータに現れていると捉えるほうが正解ではないでしょうか。
 このように弊社は、単純に現地の法律を説明するというよりも日本の特殊性を踏まえてグローバルスタンダードの労務管理を目指し、海外赴任者の皆さんがどのように考えたら納得性があるのかを主にアドバイスを心がけています。単純に法律のルール、例えば、ミャンマーにおいて、病気休暇は年間30日。と覚えるよりも背景や日本との比較、世界的にはマイナーな制度なのかなども踏まえて理解することで納得感も高まると考えています。

多田国際社会保険労務士事務所

所長

多田 智子氏

〒141-0032東京都品川区大崎1-6-1 TOC大崎ビルディング17階 +81(0)3-5759-6340

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